小学生のうちに、中学に向けた準備をしないと間に合わないのではないか?という質問を受けることが多いです。
特に小学校で英語が低学年から始まることになって「うちの子は英語が遅れてないか?」と不安になる声があるのです。
小学生のうちに英語できなくても全く問題ないでしょう。
そもそもネイティブレベルにするには小学生ではもう遅い可能性があります。
脳科学者の池谷裕二先生の『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』によると、「言葉を覚える能力は8歳まで」とのことです。
そこまでにネイティブのように、たとえば「ra」と「la」を聞き分けられるようにしないともう遅いみたいです。
だったら、もっと早くに英語をやればいいとなるかもしれませんけど、多くのバイリンガルが「高度に抽象的な思考」ができないという言語学者からの指摘もあるのです。
流行りの英語は、焦っても仕方がないので、「そのうちできるようになる」ぐらいのスタンスで十分だと考えます。
バイリンガルの実態を暴く名著
それよりも小学生のうちに力を入れるべきは「国語」です。小学生のうちに母国語の運用能力を高めておきましょう。
中学受験組との競争でも、彼らは「算数の特殊算」など特別な頭の体操をやっています。しかし、裏を返せば、受験算数で消耗しているとも言えなくもないです。
受験せずに公立中学に進むメリットは、そうした受験勉強で消耗しないで進学できることです。つまり、受験テクニックに縛られずに、学んだり、好きな本を読んだりできるのです。公立中学進学組は、この時間を有効活用しましょう。
ここでは国語を中心に小学生のうちにやっておくと、中学に上がってからの貯金になりそうな市販教材を一気に紹介します。どれもかまなびでも実際に使ってみて、塾専用教材より効果が高かった教材です。ぜひ親子で一緒に取り組んでみて下さい。
国語ステップ1
ふくしま式
本当の国語力シリーズ
本当の国語力シリーズでは、基本的な国語の力をつけることができます。短めの文章を書けるように型を身に付けます。また、基本的な語彙力も身につきます。
語彙力が少なくてもトレーニングできる1冊
一文を極める1冊
標準レベルをマスターしよう!
読解の軸となる基本語を身に付ける1冊
ここまでやりたい!
国語ステップ2
工藤式
国語はなぜ大事かを理解する
親御さんが、早期英語教育、受験勉強より母国語である国語が大事だということを理解する必要があります。そのことを長年訴え続けてきた「国語専科教室代表」の工藤順一先生の著書、教材を通して学んでみて下さい。
まずは、これを読んでみると国語の重要性がわかります。
工藤式で書く練習をする1冊
発達段階でどの本を読んだらいいかがわかる1冊
算数ステップ1
ひとりで学べるシリーズ
算数をこれでもかというほどに細分化して学べます。
細かくしているので、「なぜそうなるのか」というところから1歩1歩学んでいけます。
たとえば、円の面積の公式が、なんで「半径×半径×3.14」なるのかも問題を解いていくとわかるようになります。
また、このシリーズでたくさん出てくる「田の字表」は、ゆくゆく中学の理科でも威力を発揮するので、小学生のうちにマスターしておいてほしいです。
算数ステップ2
田中先生の算数
ひとりで学べる算数より、もっと文章題に特化した教材です。4マス関係表(ひとりで学べる算数だと「田の字表」)を使いこなせるように練習できます。
小学英語と併せて学びやすい1冊
最後に、英語を全くやらないのも心配だという場合にオススメの1冊を紹介します。
あまり手に入りにくい出版社ですが、アルファベット→ヘボン式ローマ字→英語の読み方→英文法という流れで、ほんとの入り口から英語を勉強できます。
小学生のうちは、第5章までを完璧にこなせるようにしてみて下さい。そこまでやってしまえば、中1の2学期くらいまでの貯金を作ることができますよ。
ひとりで学べるシリーズの英語版です
かまなびではこの英語教材に対応した確認英作テストを作りました。
ダウンロードして挑戦してみて下さい。
理社のオススメ教材
中学受験ではない、理社の復習教材ってあまり売っていないんですよね。
だからのこの「習熟シリーズ」は貴重なので必要な方はやってみて下さい。
思考力などを鍛えるには
公立中高一貫校の受験対策で紹介したベースアップ系の教材もやっておくとベストです。
公立中高一貫校進学しなくても論理的な思考力や学習の基礎となる力はつけておいた方がいいですから。今回紹介した教材とも被るところがありますが、パズル系のものなど紹介しきれていないものは、そちらで紹介しています。
公立中高一貫校対策のところにまとめたのでそちらを参照して下さい。