今回も人間の成長の段階について書いていきます。
その中でも注目したいのが「思春期」についてです。
中高生はまさにこの時期に入っていますよね。非常に扱いが難しい時期だと言われています。
この思春期のイメージは、蝶の成長をイメージするといいみたいです。
思春期は、幼虫からサナギを経て蝶になる成長でいえば、サナギの状態らしいです。
この状態のときにサナギの中を覗いてみると、ドロドロになっているようです。
思春期もこれと同じ状態で、いろいろな気持ちがドロドロしているみたいなんです。
真面目な自分、遊びたい自分、優しい自分、厳しい自分のようにいろいろな自分がドロドロしている状態なんですね。
だから言ってることとやってることが違ったり矛盾することも多いのがこの時期です。
そういえば、中学3年生は、国語で「春に」という谷川俊太郎さんの詩を勉強するんですが、思春期はこんな感じなのでしょう。いろんな矛盾する気持ちがグチャグチャしていることが表現されています。
春に 谷川俊太郎
この気もちはなんだろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地からあしのうらを伝わって
ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ
声にならないさけびとなってこみあげる
この気もちはなんだろう
枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
心のダムにせきとめられ
よどみ渦まきせめぎあい
いまあふれようとする
この気もちはなんだろう
あの空の青に手をひたしたい
まだ会ったことのないすべての人と
会ってみたい話してみたい
あしたとあさってが一度にくるといい
ぼくはもどかしい
地平線のかなたへと歩きつづけたい
そのくせこの草の上でじっとしていたい
大声でだれかを呼びたい
そのくせひとりで黙っていたい
この気もちはなんだろう
塾の現場でも、子どもは不安定だなと思うことがよくあります。「あれ今日は様子が違うぞ」ということはよくあるんです。だから「思春期ではよくあることだ」という認識は必要です。
気分が乗らないときは休ませればいいですし、矛盾することを言ってても正論でお説教する必要もないです。そういうときには、何を言っても伝わらないからです。
特に親御さんとの関係では、意味もなくイライラしたりするときもありますから、そういうときはそっとしておいて嵐が去るのを待つようにしてあげてください。
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