子どもがいくら言っても変わってくれないときは、価値観の対立が原因になっていることが多いです。
「良い学校に進んで、良い会社に入った方が将来幸せになれるんだから、今頑張りなさい」と伝えたところで、「興味ない」となってしまう場合があります。
いくら話しても子どもの行動に変化がないときは、だいたいが価値観の対立になっていることが多いのです。
このような価値観の対立のときには、子どもから「憧れられるような大人」になる必要があります。
お母さんやお父さんが、いつも楽しそうに生きていると子どもが感じることができると、子どもはお母さんやお父さんのようになりたいと考えます。
対して、いつも子どものガミガミ言ったり、仕事で毎日疲れ切っているようなところを見せているときには、そのようにはなりたくないと子どもは考えます。
そのような状態で「今苦労しておくと、後で楽なんだから」というストーリーは子どもに通用しないでしょう。
確かに、子どもに尊敬されるような大人になるのは難しいかもしれませんが、少なくとも「大人になると楽しい」と感じさせるような生き方を示していかないと「大人になりたくない」となってしまうので注意が必要です。
1つの方法としては、お父さんは「お母さんはすごいんだぞ」と言い続けます。お母さんも「お父さんはすごいんだぞ」という話を子どもに聞かせるのも有効だと思います。反対にお父さんやお母さんの悪口などを子どもに言ってしまうのは避けましょう。
ご両親それぞれが、できるだけ子どもから尊敬されるような雰囲気をつくっていくようにしてみてください。
そうすると、子どもの進路のことなど、ここぞというときの話し合いで価値観の対立が生じたときにも、子どもが親御さんが話すストーリーに乗ってきやすくなるはずです。
子どもに尊敬してもらうのは大変だという場合はどうすればいいでしょうか。
次の手法は有能なコンサルタントになることです。
子どもが納得できるような事例やデータを示して、このままの状態ではいけないことを示していきます。
たとえば前述の例で、「良い学校に入り、良い会社に入ると具体的にどう良くなるのか」を事例やデータに基づいて示していきます。
就職状況や生涯賃金など、現在どれぐらいの違いがあるのか調べてみるのです。
この作業は親御さんたちの価値観の洗い直しにもつながります。
昭和や平成時代の感覚で話しているだけということがあるからです。
令和のこれからの時代は、昭和・平成的な生き方をしている人は、数パーセントかしれないのです。
転職するのは当たり前になっていますし、大企業といわれるところでも、新卒の採用は少なくなっているかもしれません。
DeNAなどゲームの会社などが台頭していて、「スマホやゲームばかりやって」という状況でもないかもしれません。スマホやゲームが好きな方がプラスになるかもしれないのです。
しっかりと調べてみて、データを示して子どもに説明できるかやってみてください。
データの裏付けがある人からのアドバイスであれば迫力がありますから、価値観の対立でも乗り越えられる可能性は高まります。
「みんなそうした方がいいって言っているよ」という感じで子どもに話していませんか。
「みんなって誰?」「そのみんなは正しいデータに基づいて言っている?」「昭和の話じゃない?本当に令和でも通用する?」論理的に突き詰めてみて下さい。
もしかしたら、「今は人生の正解モデルがないのかも」という結論に至るかもしれません。
そうしたら、子どもに「好きなことをチャレンジしたらいいと思う!お母さんやお父さんもチャレンジするわ!」って言える日がくるかもしれません。そうしたら子どもから尊敬されるようなお父さんやお母さんになっているのかもしれませんね。
それでも価値感の対立を超えられないときはどうするべきでしょうか。
変わらない相手をそのまま受け入れましょう。
子どもとはいえ「別の人格」です。自分の思いのままにすることはできないのです。
権力で思いのままに強制的にやらせたところで、子どもが力をつけた頃には全く言うことを聞かなくなります。下手をすると反対に暴力を振ってくるかもしれません。やられたことをそのまま学んでやり返してくる可能性があるのです。
いくら子どもとはいえ「離別感」をもつ必要があります。
子どもの人生は、親御さんの人生のやり直しではないのです。
「いい学校や会社に入れず苦労したから、この子には同じ思いをさせたくない」というようなケースを塾の現場ではよく見受けられます。
そのような子どもの人生を自分の人生のように一体化して考えてしまうのは、親御さんが自分の人生を楽しんでいないからなのかもしれません。
そう考えると、価値観の対立は、子どもの問題のように見えて、実は親御さん自身の問題なのかもしれませんよ。
子どもとの価値観の対立を乗り越えるには
①子どもから尊敬される人になる
>>楽しそうに生きているところを見せて、「お父さんやお母さんみたいになりたい」と思わせる
②有能なコンサルタントになる
>>データや事例に基づいて子どもに説明する。そういったデータを集めていくと、自分の価値観が洗いなおされることがあります。そしてそのことが結果的に子どもから尊敬されるような大人になっている場合もあります。
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